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イースター島からハワイまで共通文字体系があった?

最近、2人の旅行者がハワイのビーチでペトログリフを見つけました。これは古代ポリネシア人がハワイからイースター島までの広範囲で使われた共通の筆記体系を持っていたことを示唆するため重要な発見です。

これら碑文はテキサス州フォートワースのロニー・ワトソンとマーク・ルヴィエールによって、オアフ島ワイアナエの海岸線で偶然発見されました。ペトログリフは陽光が海岸線に沿って照らす限られた短い時間だけ見られました。このワイアナエ・サインの年代はヨーロッパ人がハワイ諸島に到達する数百年前に遡ります。

ロンゴロンゴ文字
ワイアナエのペトログリフは興味深いものです。これらはイースター島のラパ・ヌイの平板で、私たちがロンゴロンゴと呼ぶ文字と似ています。

ロンゴロンゴで書かれたと考えられる、イースター島のラパ・ヌイの平板。 (Public Domain)

イースター島のロンゴロンゴ文字拡大。 (Public Domain)

ロンゴロンゴの碑文はイースター島にて見つかっています。研究者らはこの文字がインダス川流域の文字と関連していることを示唆しています。ほとんどの考古学者はロンゴロンゴとインダス川流域の文字が数千年離れているため、2つの文字は無関係だと考えています。

ワイアナエのペトログリフは海岸線で見つかったために興味深いです。ハワイにある碑文の大部分は平野部で、滑らかなパホイホイ玄武岩に彫られたものが見つかっています。ハワイ最大のペトログリフ平野は、プウ・ロアにあるハワイ火山国立公園に位置しています。プウ・ロアという場所はポリネシア最大のペトログリフ平野です。

図1:ハワイのペトログリフ (Sutcliffe, Electric Typographer)

ハワイのペトログリフについて最も権威のある本は、Likeke R. McBrideのPetroglyphs of Hawaiiです。またJudith SutcliffeのElectric Typographer (1993)もハワイのペトログリフについて発表しています。ハワイの文字は溶岩に彫られています。

これにはハワイ島で見つかったワイアナエ碑文と似た、『棒人間』のような絵があります。しかしマウイ島とラナイ島で見つかった碑文は、厚い上半身に3本足で人物像を表しています。ハワイで見つかった一般的な厚い胴体の人物像が下の図2です。

図2:ハワイ・ペトログリフの厚い胴体の人物像。 ( CC BY NC 2.0 )

ハワイはポリネシアの孤立した島々だと一般的に考えられています。そのため、ロンゴロンゴに似たペトログリフがハワイの島々で発見されたのは驚くべきことです。

ワイアナエ・サイン
ワイアナエ・サインはオアフ島のワイアナエ海岸で見つかりました。ワイアナエ・サインはビーチに沿って18mにわたって広がっています。これは岸に沿って見つかったハワイで最初のペトログリフです。(図3)

これらのサインは非常にもろく、彫られている場所のためにおそらく損傷してしまうか破損してしまうでしょう。また、碑文が海岸沿いに位置しているために、通常は砂に埋もれています。

図3:ワイアナエ・サイン (Screenshot via CNN)

図3ではワイアナエ・サインを見ることができます。ワイアナエ・サインは直線状で、ロンゴロンゴ文字は波線状です。

図3a:ワイアナエ・サイン (Via C. Winters)

図3aではワイアナエの直線サインを見ることができます。ここを訪れたハワイ州の考古学者は、ワイアナエで10のサインを見つけたと語っています。考古学者はこのペトログリフは400年前のものであるとしていますが、これはラパ・ヌイの平板が書かれた頃です。

ワイアナエ・ペトログリフ発見の前、ハワイの象形文字は平均して直径30cmほどでした。ワイアナエ碑文は大きさが1.2mから1.5mあります。これらペトログリフが大きいということは、海に出た人々が見るために作られたことを示しています。

サインの比較
ワイアナエ・サインはビーチに沿って18mにわたって広がっています。これらは直線状の人間像で特徴づけられます。直線的な人間像はハワイで共通していますが、ワイアナエの人型ペトログリフは棒人間で、ハワイで最もよくある人型像は図2で見られるように厚い胴体をしています。

図4:ロンゴロンゴとワイアナエ・サインの比較 (via C. Winters)

図4では、ロンゴロンゴとワイアナエ・サインを比較しています。図の左側はロンゴロンゴ文字で右側がワイアナエ・サインです。ロンゴロンゴの波線状という特徴を除いて、ワイアナエ・サインと著しく似ていることは明らかです。

オアフ島のワイアナエ海岸に沿って見つかった碑文は、ロンゴロンゴ文字と非常に似ているためポリネシア碑文研究において重要です。この比較はイースター島とハワイで共通の筆記体系が使われていたことを示唆しています。

ワイアナエ碑文は前述のように島で見つかった唯一の碑文ではありません。ハワイ州立歴史保全部と米軍はワイアナエの新しいサインで島で見つかったサインは全部で17になったとしています。

今、ワイアナエ・サインは再びビーチの砂に隠されています。

原文:Ancient Origins
参考:CNN

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