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マケドニア・地上絵の天文的直列は王族と関連か

意外と遺跡多いマケドニアですが、今回は地上絵が天文学的な配置になってるのだとか。

さらに、どうやらその地上絵が神話的な王族とも繋がっているとか。。。

ギリシャのお隣であるマケドニア。地上絵はギリシャ神話とも繋がって、王室の歴史を描いているようにも思えます。記事を読んだ後は古代の人が星に込めた思いに感動しました(*´ω`*)

発見は新たな謎を生み出します。

たぶん解明してもまた知りたくなることは増えるんだろうなー。


Astronomical alignment of geoglyph in Republic of Macedonia may point to Royal connection

マケドニア旧ユーゴスラビア共和国(FYROM)・カンダの丘の上に位置する地上絵の学際的な研究は、丘にある人工的な建設を含む古代の建造物がカシオペア座との天文的直列という信じられないような機能があることを解明しましたが、これはマケドニア王族との関係を指すかもしれません。

イタリア・クロアチア・セルビア・フィンランド・イギリスの研究者からなる、天文学、哲学、神話、数学、物理学を組み合わせてヨーロッパにおける古代の遺跡や寺院を研究する国際的協同チームであるSB研究グループ(SBRG)によって研究が行われました。

カンダのスヴェティ・ニコレ市付近にある丘の古代地上絵を研究するため、超低周波・超音波調査、AMT計測、音波バイナリアルゴリズム合成、データ超音波処理、ダウジング、含む複数の手法をSBRGは組み合わせます。丘は卵型の塚で、完全に南北を向いていて、縦横は85mと45mになります。丘の頂上は楕円形の溝の中に位置する巨大なシンボルの地上絵です。

『その形と象徴性がつくる全体の構造は、原初の創造の源である宇宙の卵に似ている。』という内容を「カンダ(マケドニア)の古代遺跡の考古学的分析」という論文で研究チームは報告しています。

カンダにある丘と地上絵の航空写真 Credit: SBRG

人工的な丘

赤外線カメラを用いた空中分析は、周囲の土壌に比べて丘にある土壌が異なる組成であることを明らかにしました。

『地上絵の南側に残された未耕作の土地を比較すると、この差は特に明らかである』と研究者たちは記しています。『この地域では、同じ植物が土壌を覆っており、地質の異なる組成物が太陽の光を異なる方法で屈折するために今のところ2つの異なる色が見える。』

これは元々あった丘を成型した、もしくは平地を盛り上げて削ったという、この丘が人工の儀式的な塚であるという仮説を示していると、研究者たちは主張しています。

彼らはこのように報告しています:『地質が周辺地域と一致しないので、この塚が特定の目的を念頭にして慎重に構築されたと思われる。その目的が何かということは、これからの調査にかかっている。』

研究チームは丘の土壌組成物が周囲と異なることを決定できた。これは人工物であることを示している。 Credit: SBRG

地下室と水源

SBRGは地上絵の場所で電磁スペクトルの解析を行い、高確率で地下水の流れがあることがわかった。この結果もまた、超低周波と音波地磁気地電流法(AMT)の記録により支持されました。水は丘と地上絵の中心にあり、いくつかはその長軸に沿っています。

また、音波地磁気地電流記録法を経て得られた、さらなる電磁スペクトル値も地下室(または小さな空洞)がある可能性を指摘しています。

『我々の測定は、高精度な結果という訳ではありません』と研究者たちは記している。『しかし測定値の更なる詳細な分析は、対象の形状についてのより良い指標を提供している。』

地上絵の象徴性

人工的な塚の上に楕円形の溝で囲まれたシンボルの地上絵があります。研究者たちによると、この地上絵には深い象徴的な意味があり、マケドニア王族との繋がりを反映しているようです。彼らはこう記しています:

民衆文字のマケドニア語への転写では、地上絵のシンボルは、マケドニアの全知全能の神セー(Se)を表している。セーは、全宇宙を創造した古代マケドニアの最高神と偉大なる母の間に最初に生まれた息子だった。そのため、セーは最初の者とも呼ばれる。至高の創造者と偉大なる母はまたマケドニアも生み出し、彼らはマケドニア王と女王として転生した。この神学体系はオリンピア、アレキサンダー大王の母に属するディオニュソスの秘密学派に完全に従っている。これはプルタルコスの著書「アレキサンダー大王の一生」にて言及されている。

カンダの人工的な丘の頂上で発見された不思議なシンボル Credit: SBRG

天文的直列

研究チームは地上絵は、ギリシャ神話の比類なき美しさを自慢した女王から名付けられた星座、カシオペア座と並んでいることを発見した。

『問題のシンボルは、神話の中で天国の女王や偉大なる母、そして救世主ペルセウスの妻となったアンドロメダの母として知られてるカシオペア座と並んでいる。』と研究者たちは記しています。『マケドニア神話におけるペルセウスの重要性は過大評価することは出来ません。この名前は王朝にて登場します。最後のマケドニア王はペルセウスでした。マケドニア王室造幣局からの数多くのコインとともに、マケドニア王たちの『高次の自己』と考えられていた神話のペルセウスの描写があります。』

興味深いことに、7月21日か22日(アレキサンダー大王の誕生日)の日の出時には、カシオペア座はちょうど北、地上絵の垂直上方向の天頂にあります。カシオペア座は北極星の周りに毎日完全な円を描き、その北極星との垂直方向の配置はアレキサンダー大王の誕生日と考えられている日の日の出と一致します。

カシオペア座と北極星が作る配置。丘に描かれた地上絵と似ています。 Credit: SBRG

『我々が地上絵に対して天と地の完全なる調和が出来上がっていると確かに思い描いたのはまさにこの日の出です。』と研究者たちは報告する。『息を呑むような類似性だ。』

アレキサンダー大王が誕生した日の日の出時に、カシオペア座と北極星が儀式塚の地上絵を反映しているという真実、このことが塚は王朝の誰かの墓だと示すことに研究チームを導いてきた。

天と地の鏡:上の如く下も然り。宇宙の卵に似た形の地上絵は天の像を反射している。この一時とアレキサンダー大王の誕生日は一致している。 Credit: SBRG

マケドニア王室の周辺

地上絵の丘は、初期古典古代期のパエオニア人(Paeonian)の都市・ビラゾラ(Bylazora)として知られる考古学遺跡の近くに位置している。ビラゾラは、2008年の最初の発掘では、歴史家がイリュリア人、トラキア人、ギリシャ人、マケドニア人、あるいはペラゴニア人(Pelasgians)と繋げて考えるパエオニア人の単なる砦と最初のうちは考えられていました。しかし、SBRGによると、ビラゾラでの最後の考古学的発見は、遺跡がマケドニア王と繋がっていたことを示唆していました。遺跡には精巧な寺院や建物が含まれており、マケドニア王族の公式な町であると考えられています。

ビラゾラの航空写真。 Credit: SBRG

カンダの地上絵における魅力的な発見はこの神秘的な建造物に新たな光を当てます。そして発見は答えよりも多くの問題を提起しながら、研究者たちは、一緒になり、発見が塚がマケドニアの歴史の中で非常に重要な人物の墓所であるかもしれないと示すことを信じています。それは時間だけが教えてくれるでしょう。

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