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ケルトの古代シンボルに隠された誇りと力

古代ケルト人は彼らのシンボルやサインが、彼らの人生に影響を与えることのできる驚くほど意味深な力があると考えました。吟遊詩人や語り部は、ケルトの象徴の背後にある物語や意味を時代から時代へと語り伝えてきました。彼らの成果はケルトの伝統に誇りを維持することを助け、今日まで残すことができました。

 

クラダとハープ
クラダ(Claddagh)のシンボルには3重の意味があります。時代に影響されることなく、手は友情を、王冠は忠誠を、ハートは愛情を象徴します。クラダのデザインはゴールウェイの壁外側に位置する同名の漁村にて生まれました。このシンボルは多くの品物に使われていますが、最も人気のあるものの一つは指輪での使用です。今日のクラダリングが最初に人気になったのは17世紀でした。シンボルの背後にある意味により、これらの指輪は婚約や結婚に関連するようになりました。

金のクラダリング。 (Royalcladdagh/CC BY SA 3.0)

アイリッシュ・ハープはアイルランドの伝統的シンボルです。これは魂の不滅を表現していると考えられています。古代において、吟遊詩人や音楽家は彼らの首長に演奏するためにハープを使いました。今日でも、ハープは最も人気のあるケルト楽器の中に残っています。さらにはコインや制服、ギネス・ビールのロゴにも現れています。

アイルランドの紋章。青い盾にハープ。 (Public Domain)

 

シャムロックとクロス
シャムロック(三つ葉)はアイルランドの最もよく知られたシンボルの一つです。非公式なシンボルとはいえ、これは幸運を表します。植物として、シャムロックはアイルランド中の丘で育っていますが、シンボルとしてもアイルランドのほぼ全域で見ることができます。

伝説ではシャムロックはアイルランドでのキリスト教布教の際に、聖パトリキウスによって聖なる三位一体を異教徒に説明するために使われたと語られています。宗教に関連する別のシンボルにケルティック・クロスがあります。これはアイリッシュ・クロス、アイオナのクロス、またはハイ・クロスとしても知られています。これはアイルランドにおいてキリスト教を表す別のシンボルで、クロスを囲むリングは生命の源と見なされた太陽エネルギーを表すと考えられています。

ステンドグラスにシャムロックとともに描かれた聖パトリキウス。アイルランド、St. Benin’s Church。 (CC BY-SA 3.0 de)

 

ケルトの動物シンボル
ケルティック・ホースは、ケルト人にエポナという馬の女神がグレート・メアとして知られていたため、戦争における勝利のシンボルです。

ケルティック・サーペントは、蛇が脱皮をすることから再生・知恵・治療のシンボルです。蛇はまた不死なる動物と見なされ、毎年新しい皮を身につけることで生命が与えられると考えられていました。ケルト人の考えでは蛇は地球内部からスルスルと這い出てくるとされていました。蛇はさらに世界の神聖な知恵全てを持ち、全ての秘密を知っていたため、地球を治療する者と見なされていました。

西暦200年頃のエポナと馬の像。ドイツのケンゲン出土。 (CC BY 2.0)

神話や伝説に登場する生き物にケルティック・ドラゴンがいます。ドラゴンは力と多産のシンボルと見なされました。元々、ドラゴンは最初の生きた細胞が作られた時に大地から生まれたと言われていました。その後この細胞は天空によって水と風とともに受胎されたため、大地のエネルギーと各季節の多産に関係する魔法のドラゴンを生み出しました。

ケルティック・バードは、鳥が天に舞い上がることが出来ることから自由と超越を表します。これらはまた人間の魂の解放を象徴し、神々から人間に教訓や助言・預言を運ぶと考えられました。このように、鳥は人間の世界と神々の世界の仲介者として見られていました。

翼を広げた鳥の完全なクレストがあるケルトのヘルメット。 (Wolfgang Sauber/CC BY SA 3.0)

 

ケルトの生命の樹
ケルトの生命の樹は自然との調和を表し、結果としてケルト人は多くの木のシンボルを持っています。各種の木は古代ケルト人にとって明確な象徴と意味を持っていました。例えば、セイヨウトネリコは知恵と降伏を表し、白樺は若さと再生を表していました。

散文のエッダで語られる北欧神話のユグドラシル(生命の樹)。Oluf Olufsen Bagge作、1847年。 (Public Domain)

 

トリクエトラ(Triquetra)
有名なケルトの渦巻きやノット(結び目)は永遠の生命というケルトの考えや、人間が持つ自然界や神との複雑な関係性を反映しています。トリクエトラはトリニティ・ノットとしても知られています。これは最も一般的なケルティック・ノットで、心・精神・魂の調和や三位一体を反映しています。また、メンタル・スピリチュアル・フィジカルという異なる3つの階層が連動していることを示唆してもいます。

一方でトゥイム・ノットは、太陰暦の四季(four seasonal lunar holidays)だけでなく、伝統的な四元素(火、空気、土、水)を象徴しています。トリプル・スパイラルは生命の連続性とサイクルで生命が動く様子を表します。ここでの3重の象徴は身体・精神・魂、または誕生・死・再生を表します。別の3重シンボルにトリスケリオンがあります。これは永遠の生命・精神的な成長・自然の流れの統合を表します。

海外ドラマ「チャームド」の影の書の表紙にあるトリクエトラのデザイン。 (Public Domain)

 

ウィール・オブ・ビーイングとオガム・アルファベット
ウィール・オブ・ビーイングはウィール・オブ・バランスとしても知られています。これは4つの円が中央の5つ目の円によって結ばれた形をしており、4つの力または元素が5つ目によってバランスが取られていることを表しています。これは4つの力が、バランスを意味する5つ目によって統合されているというドルイド的宇宙観の象徴的表現です。

アイリッシュのオガム・アルファベットは、雄弁の神として称えられたオグミオスとして知られるケルトの神から贈り物としてもたらされました。しかしこのアルファベットの真の起源は、謎に包まれたままです。

クロスのシンボルが追加されたオガム・ストーン。 (Kevin Higgins/CC BY SA 2.0)

原文:Ancient Origins
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