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北欧の古代シンボルを解読する

ヴァイキングたちは北欧神話に合致する多くのシンボルを使いました。そのようなシンボルはヴァイキング社会において広く使われ、彼らの信念や神話の要素を表していました。ヴァイキング・シンボルのいくつかは未だ意味がわかっていません。下記では最も重要なヴァイキング・シンボルのいくつかを示します。

トールのハンマー

トール神のハンマーは『稲光』を意味するミョルニルと名付けられています。これは雷と稲光の神であるトールの持つ力をはっきりと示したものでした。トールはヴァイキングたちに愛された古代の戦神です。したがって、彼の肖像は北欧神話において非常に目を引きます。トールは大地の女神フィヨルギュンと北欧神話の主神オーディンの息子でした。伝説によれば、トールのハンマーであるミョルニルは山を平らにすほどの力を持っていました。

Thor’s Battle against the Jötnar (1872) by Mårten Eskil Winge.
(Public Domain)

魔法の武器として、ミョルニルを投げた後は常に主人の元へ戻ってきました。またトールがそのハンマーを使う際、特別なガントレットを身に付けていました。防護のアミュレットとしてミョルニルのシンボルは非常に一般的で、最も人気のあるヴァイキング・シンボルの一つでした。北欧にキリスト教が現れ始めた頃、ウルフズクロスまたはドラゴンズクロスのような、後期の形式のミョルニルが使われました。

ヴァルクヌート

ヴァルクヌート(Valknut)は戦いにおける死を表す北欧のシンボルです。このシンボルは『フルングニルの心臓(Hrungnir’s Heart)』、『ヴァラの心臓(the Heart of Vala)』または『ボロメアン・リング』としても知られています。フルングニルとはエッダに登場する伝説上の巨人です。このシンボルの意味はハッキリとしてはいませんが、戦いの中で死ぬという考えと関連付けられています。このシンボルは来世の描写としめ葬式石の彫刻に現れています。これはまた非常に多くの場合、死を超越する力を持つオーディンと関連付けられます。このシンボルが一筆書きで描かれる場合、悪霊から守る力を持つと言われています。

ヴァルクヌートはまた、再生と母性を表す古いケルトのシンボルに似ています。3つの三角形を含むため、3を掛けた数は北欧神話における9つの世界を表しているのかもしれません。

Stora Hammars I stone。ヴァルクヌートが最中央の支配的な位置、埋葬墓で別の像を狩るオーディン(特徴的な槍を持つ)とされる像の側に現れている。大鴉は頭上におり、もう一方は吊るされている。 (CC BY-SA 3.0)

ユグドラシル

ユグドラシルはその枝に9つの世界全てを持つ木です。その頂上には鷲が住んでおり、ニーズヘッグというドラゴンが根本に住んでいると言われています。世界樹として、ユグドラシルの像は様々な形で世界中の多くの神話に現れています。

ユグドラシルはまた1066年のものとされるオーベルホグダル・タペストリー(Överhogdal tapestries)にも描かれています。この世界樹を含むイメージは、ラグナロクの様子を描いています。

“The Ash Yggdrasil” (1886) by Friedrich Wilhelm Heine.
(Public Domain)

畏怖の舵輪

畏怖の舵輪(Helm of Awe)はあらゆる病気から守る強力な北欧のシンボルです。ある出典では畏怖の舵輪は、敵の心に恐怖を植え付けるために、目の間に着けられたとしています。これはまた、力の悪用から守ることを意味してもいました。

畏怖の舵輪を意味するノルド語は『Ægishjálmr』です。

畏怖の舵輪『Ægishjálmr』 (Public Domain)

ウルズのウェブ

ウルズのウェブ(Web of Wyrd)、またはスカルドの網としても知られるシンボルは北欧の運命の母体(マトリクス)です。この網はおそらくノルンによって編まれたものです。ノルン(複数形ノルニル)はヴァイキング神話での運命や宿命を作る者たちです。このシンボルは内部にすべてのルーンの形とともに、過去、現在、未来のすべての可能性を含んでいます。これは過去が現在に影響を与え、現在が未来に影響を与えるということを思い出させるものです。

ノルン。 (Public Domain)

トロール・クロス

トロール・クロスは、悪いエルフやトロールからの守護を意味するヴァイキング・シンボルです。そのアミュレットはオダル・ルーンの形をしています。

トロール・クロス (CC BY-SA 3.0)

グングニル

グングニルは北欧神話の主神、オーディンが持つ槍です。これはトリックスターの神ロキの命令でドヴェルグ(ドワーフ)が作った魔法の武器でした。その後ロキは贈り物としてこの槍をオーディンに持ってきました。伝説では、魔法の槍グングニルは決してその目標を外さなかったといいます。

Lee Lawrie, Odin (1939)
(Public Domain)

オーディンのトリプル・ホーン

オーディンの別のシンボルであるトリプル・ホーンは、噛み合った3つのドリンキングホーンでできています。今日では、このシンボルはアサトル(Asatru)信仰を表しています。過去には、ドリンキングホーンは伝統的な乾杯儀式にて使われました。

Odhroerirはクヴァシルの血から醸造された魔法のミード(蜂蜜酒)でした。オーディンはこのミードを手に入れるための探求に行き、トリプル・ホーンはその3口のミードを表します。

“Odin wins for men the magic mead” (1920) by Willy Pogany.
(Public Domain)

ヴェグヴィシル

ヴェグヴィシル(Vegvisir)はルーンのコンパスです。このシンボルは海での航行を助けるために使われた魔法の装置でした。防護のシンボルとして、ヴェグヴィシルは海に出る船に彼らの安全な帰還を保証するために彫られたり刻まれたりました。このシンボルの最もよく知られた描写は、17世紀のアイスランド語のグリモワール『ガルドラボーク(Galdrabók)』のものです。

アイスランドの魔術棹(Icelandic magical staves)の1つ、ヴェグヴィシル。 (Public Domain)

トップ画:Odin and Frigg look down from their window in the heavens to the Winnili women in an illustration by Emil Doepler, 1905. (Public Domain)

原文:Ancient Origins
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