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ミトコンドリアDNAが人類の進化を明確にする

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『私たちはどこから来たのか?』これは数千年もの間、人類がしてきた根源的な問いの一つとなっています。物理的人類学者は100年以上の間、我々人類や祖先の頭蓋骨の形など化石の形態学的特徴を研究することにより答えを提供してきました。

過去15年ほどの間、分子人類学者は進化の木を構築する多様な起源を持つ現生人類のDNAを比較しています。変異は我々のDNAに通常の割合で起き、多くの場合子孫に受け継がれます。これらの差異(多形性)は遺伝子型レベルで我々全てを唯一なものにし、これら差異の分析は我々がどのように関連しているかを示すでしょう。しかし、分子人類学者と物理的人類学者によって使われた異なるアプローチは、現生人類が古代の祖先からどのように進化したかについて見解が対立するようになりました。
※人間のDNA変異は関連性や進化の歴史を示すために使用されます。

2つの主要な仮説
2つの主要な仮説は、ホモ・エレクトゥスがアフリカで進化して100~200万年前頃に世界の残りの部分へ広がったことに同意します。ダウいしない場合、我々の最近の歴史に関連します。

1) 多地域進化説:現生人類が世界各地で初期のヒト科から進化したという説

2) 新しいアフリカ起源説:現生人類は世界中に植民する前にアフリカで進化したという説

ミトコンドリアDNA
DNAは私たちの体のすべての細胞の核内部に存在しますが、細胞のミトコンドリアのDNAは進化系統樹を構成するために最も一般的に使われます。

※ミトコンドリアDNAは母体DNAとも言われ、進化系統樹の構築に使用される。

Dループに注目する
DNA研究からの証拠は新しいアフリカ起源説を一般的に支持しますが、これらの結論は統計的支持の欠如を批判されています。この一つの理由は、これらの研究がミトコンドリアゲノムの約7%を占めるDループと呼ばれる小さな部分の多型に主に焦点を当てているからです。この部分が人気な理由は特にその高い突然変異率にあり、科学者がこの比較的短い配列を分析でき、そしてやはり密接に関係している配列の違いを解決できることを意味します。残念ながら、今ではこの高い突然変異率が有益な情報をわかりにくくしていることがますます明らかになっています。Dループ部分からのデータで3つの主な問題が判明しています。

※ミトコンドリアDNAは高い変異率を示します。

解決策は?
ミトコンドリアゲノムは全体の配置を決定された最初のゲノムの一つですが、技術の進歩がその配列の長さを比較的簡単に得るのを可能にし、全ゲノムに使われる明らかなサイズの研究が行われたのは最近ではありません。この研究は集団遺伝学分野で重要なランドマークになり、おそらく新分野の先駆けともなると思われ、すでに『集団ゲノミクス』という造語を生み出しました。これらの研究者(イングマン等、原文参考資料参照)は全ゲノムの配列決定することは少なからず大変な作業でしたが、重要な利点をもたらすことがわかりました。

※全ゲノムが配列決定された現在、私たちは現生人類の起源の鮮明な画像を得る必要があります。

集団ゲノミクス
この完全なミトコンドリアゲノムのデータセットで再構築された強固な系統樹は、「新しいアフリカ起源説」に強力なサポートを与えています。ゲノム配列の置換率を決定することで、系統樹の点を導き出して人類の進化と移行での出来事の年表を構築することが可能です。

※新しい研究は、現生人類はアフリカで171,500年前に現れたと示しています。

この研究は唯一で最初のもので、集団ゲノミクスはまだ揺籃期にあります。今後はまだ分析されていない集団からの増え続ける数々の配列と、おそらく異なる遺伝子座からの遺伝子データ間の境界面がさらなる研究を提供するでしょう。例えば、古代人類についての最近の研究は、オーストラリアにて遺伝子データと自然人類学により集められた情報を統合するものが残されています。どのようにいつごろアボリジニがオーストラリアに到達したか、そして進化の歴史と南北アメリカ・インディアンの関連性などの解決されずに残された多くの重要な謎があります。
※アボリジニ民族の進化の歴史はいまだ謎が残されています。

原文:Mitochondrial DNA Clarifies Human Evolution(actionbioscience)

こちらを翻訳する上でDNAについての基礎や用語について知る必要があったので下記を参考にしました。DNAの基礎知識を学ぶために有用です。

参考:
ミトコンドリアが明かす-ヒトの起源とアイスマンの子孫-
遺伝学電子博物館
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