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忘れられた夢の洞窟に世界最古の噴火岩絵

研究者チームは円錐形からスプレーのように振り出した形式の岩の彫刻は、知られている最古の火山噴火の描写だという理論を立てました。36000年前に遡るこの彫刻と関連する洞窟壁画は、1994年にフランス・アルデシュ近くのショーヴェ=ポン・ダルク洞窟で発見されました。

この洞窟は世界最古の絵画がいくつかある、と著者でパリ・サクレー大学の天候環境研究実験所のSebastien Nomade氏と彼のチームは言います。洞窟壁画の年代は論争に飲み込まれている、と彼らは書いており、しかし描写に使われた物質の放射性炭素年代測定はその年代を現在からおよそ37000年から34000年前だと見積もっています。

国際連合は2014年、この洞窟に世界遺産の資格を与えました。また洞窟はヴェルナー・ヘルツォークの映画Cave of Forgotten Dreams(邦題:世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶)にて特集されています。

PLOS Oneのオンラインジャーナルにて公開されている彼らの論文で、 著者は洞窟壁画について記述しています:

ショーヴェ=ポン・ダルクの動物寓話壁画は『危険な動物』(洞窟ライオン、マンモス、サイなど)と呼ばれるその優位性で特に有名で、これは西ヨーロッパにおける旧石器時代後期の図像ではむしろ珍しいものです。この動物寓話はより古典的な動物(馬、バイソン、オオツノシカ、アイベックス等)や人間表現(ネガやポジの手、女性の下半身等)を含んでもいます。この比喩的な動物寓話は、広い範囲に彫刻され描かれた抽象的記号(『W』『蝶』『スプレー形』)と共存していて、それらのいくつかはショーヴェ=ポン・ダルク固有のものです。これらいくつかの記号の意味は未だ不明で、ここで提示する火山噴火の描写などいくつかの仮説の対象となっています。

フランス、ショーヴェ=ポン・ダルク洞窟のオオツノシカの上にある円錐形から噴霧または振り出して岩に刻んだと研究者が言う、おそらく火山噴火を描いた形が、よりハッキリと右側に再現されている。オオツノシカは絶滅した巨大な角を持った鹿。 (Nomade et al./PLOS One)

大部分が物理科学者である研究者らは、3万年から4万年前にこの地域に住んでいた人々は洞窟のわずか35km北で激しい火山活動をおそらく目撃したのでしょう、と言います。『ショーヴェの上にある小さな丘に登って北を見れば火山が見えます。夜には赤々として見え、火山噴火の音が聞こえます。』と、Nomade氏はNature Newsに語りました。壁画が火山噴火を描いていると証明する方法はないとしながら、『しかし私たちにとっては最も可能性のある仮説なのです。』と語りました。

論文は、彼らの研究がアルデシュ川地域における火山噴火のような現象の最初の証拠を提供すると言います。洞窟のスプレー形記号は、西暦79年のヴェスヴィオ火山の噴火に関する小プリニウスの記述より34000年以上先行し、トルコのチャタルヒュユクにある学者が噴火を表すと考える壁より28000年先行していると彼らは書いています。

トルコのチャタルヒュユクで発見された8000年前の壁の複製。研究者は人の手で作られた火山噴火の最初の描写だと考えている。 (Nomade et al./PLOS One)

ヨーロッパの多くの洞窟で、他の景色や地質現象の描写は知られていないと彼らは言う。下記のように書いています:

ヨーロッパでは洞窟壁画(parietal art)のある旧石器時代の洞窟が約340も見つかっていて、その大多数はフランス南部とスペイン北部にあり、最も古いものは36000年から40000年遡ります。この時代は解剖学的な現生人類(ホモ・サピエンス)のヨーロッパ西部への到着と一致しており、オーリニャック文化と関連しています。(中略) 19世紀初期からこれまでに数多くの洞窟が研究されたにも関わらず、自然の風景や地質現象を描いた旧石器時代後期の岩絵も岩刻文字(ペトログリフ)も彫刻もヨーロッパでは見つかっていません。

ショーヴェ洞窟の岩絵のこれら複製は、たてがみがないため雌ライオンを表していると考えられる。ヨーロッパにおける他の多くの石器時代の洞窟と異なり、ショーヴェ洞窟の岩絵は主に危険な動物を表している。 (Public Domain)

彼らはレポートに、かつて人々は火山噴火に気がついて絵画や彫刻を作ったと書いていて、この芸術は先史時代の人々が見た、ストロンボリ式噴火の典型的な溶岩噴出の視覚的記録であると決めました。

Nomade氏と彼のチームがアルゴン同位体年代測定を使って3つの火山の中心近くの岩を分析し、19000年から43000年前の間に起きたいくつかの火山噴火の証拠を見つけたとGizmodoは報じています。明らかに、『もしBas-Vivaraisが噴火した時にショーヴェ=ポン・ダルク洞窟に人々が住んでいたなら、彼らは見逃すはずがないだろう。』

原文:Ancient Origins By Mark Miller

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