既存の考古学的発見のレポートは最近スカンジナビアから多くもたらされています。バルト海上にある本土から東に離れたデンマーク領の島、ボーンホルム島の溝から見つかった不可解な石は、デンマーク国立博物館の研究者と考古学者によると、人類の歴史上最古の地図の1つである可能性があります。しかし最近の発見は完全なものではありませんでした。これは2つのピースからなっており1つはいまだ行方不明です。雑誌Skalkが報じるところでは、この石は異なる線の列や陰影で満ちた長方形のパターンが刻まれた同様の古代の石を科学者が発掘した新石器時代の祭壇、Vasagårdでの考古学的発掘作業の際に発見されました。
発見はデンマークのボーンホルム島でなされた。 (flickr)
90年代初頭以来の放牧場の発掘調査は、放射状の直線パターンが刻まれた『サン・ストーン』または『ソーラー・ストーン』と呼ばれる壊れた平たい石を多く発見しています。考古学者らはこれらの遺物が、およそ5000年前に存在した新石器時代の太陽崇拝信奉者の儀式で使われた可能性が高いと主張しています。
紀元前3500年頃に地元民は北欧の幾つかの地域に、畑に囲まれた木と石でできた家々の集団を建てて農場を作りました。彼らは小麦と大麦を育て、それをひいて小麦粉にしました。豆やエンドウマメを育てる農家もありました。他の者は亜麻(フラックス)と呼ばれる植物を育て、衣服のために亜麻布を作りました。初期の農家たちは狩りをしたりナッツやベリーを集めて食べてもいましたが、ほとんどの時間を農場で働いていました。そういった理由から、彼らはしばしば自身たちの神や母なる自然が彼らに寛大であるよう崇拝し、その目的のために儀式を体系化して、そこでおそらくこれらの石を使いました。
『ソーラー・ストーン』ではなく地図
最近見つかった石は太陽光線にも似た線で満たされていますが、他の『サン・ストーン』とは違っています。これはおそらく別のものです。以前の似たような発見とは違い、考古学者で国立博物館の上級研究員であるフレミング・カウル(Flemming Kaul)は、この遺物を詳細に検査した後、この石が太陽と太陽光線を示すものではなく、紀元前2900年から紀元前2700年の間に現れたこの島の自然の一部の地理的な詳細を表示したものでほぼ確実だとしました。
『やや複雑だと思われていたある特定の石がありましたが、これがある種の地図であることに私たちは皆同意しています。現代の感覚でいう地図ではありませんが、様式化された地図なのです』と、カウル氏はLive Scienceに語りました。『私は北イタリアのアルプスで見つかった同時期の象徴的な風景だと解釈される岩石彫刻とのいくつかの類似点を見つけることができ、これが私たちが今見つけたものだと信じています。』
ボーンホルムで見つかった石の円盤。 Photo by Marta Bura
そのまま『儀式の石』に
フレミング・カウル氏は新しく見つかった遺物を『比類なき』石と呼び、これが儀式でも使用され、おそらくその際に壊されただろうと推測しました。彼はマップ・ストーンとサン・ストーンの両方が、特定の場所の肥沃さへ太陽の影響を与えるために儀式で一緒に使われたと示唆します。彼は言います、『儀式品がある種のライフサイクルを持つ時はしばしば、おそらくは儀式の魔術を強めるためにもそれらは聖地に積まれ、まさにそれらとともに儀式が執り行われました』、彼は続けて、『そしてもちろん、それらの石が壊されると、人間世界でそれ以上働くことはなく、これら神聖な場所の溝に置かれることによって別の精神世界で働き続けます。』 [Live Scienceより]
マップ・ストーンの解釈には議論の余地
終わりに、カウル氏はマップ・ストーンの解釈には多少議論の余地があり、近い将来にその役割や重要性についてより良い考えをもたらす、さらなるマップ・ストーンが見つかることを期待していることを認めました。カウル氏はLive Scienceに『およそ20年前に最初のソーラー・ストーンが見つかった後、私はSkalkにこれについて書きました。その雑誌の編集者も信じませんでした。20年たった今、私たちは200以上のソーラー・ストーンを見つけており、これはボーンホルムでの最も重要なものです。それなので、来たるべきさらなるマップ・ストーンを見るために数年待ちましょう。』と語りました。
トップ画:石器時代の地図の可能性がある、デンマークで見つかった彫刻された石。Credit: Bornholms Museum/Skalk Magazine
原文:Ancient Origins