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時を刻むギザのピラミッド

古代エジプト人は夏至・冬至または春分・秋分の正確な昼と夜どのように見分けたのでしょうか? エジプトの生命線であるナイル川の洪水の日が近づくのをどのように見分けたのでしょうか? 月の周期が女性の月経を支配していることをどのように知ったのでしょうか? 彼らは地球と太陽のおおよその距離を知っていたのでしょうか? 彼らはそれぞれの日ごとに、古代に取り除かれた大ピラミッドを覆う石板に印を刻んでいたのでしょうか?

ハンガリー人建築家András Gőczeyは、古くからある謎の失われたピースを見つけるため、エンジニアの体系立てられたマインドセットを応用しました。答えを探して、彼は東のクフ王のものと南のメンカウラー王の小さなピラミッドの模型を作り、投じられた陰影を観察し、経度、緯度、そして2つの天体の位置を調整した時の変化を計算しました。ロバート・ボーヴァル(Robert Bauval)やロバート・M・ショック(Robert M. Schoch)のような有名なオルタナティブ研究者の作業を基に、プラトンの歳差年(25,920年)のような大きいサイクルを信頼することで、彼の作業は、研究者たちが疑っていたか夢見ていたが決して証明できないと考えていた多くの理論を解決できました。

この先の内容は、彼の発見のハイライトの要約です:

ギザのピラミッド・コンプレックス配置図。 (CC BY-SA 3.0)

ギザには4つの重要な建造物があります。スフィンクスの長軸は真東を向き、クフ王、カフラー王、メンカウラー王のピラミッドは整列しています。これら正確な幾何学的建造物の底面は精密に北、南、東、西に合わせられています。クフ王とメンカウラー王のピラミッドはこの4方向に合わせられた3つの衛星ピラミッドをそれぞれ持っています。大きいカフラー王のピラミッドとその南の小さなピラミッドの間には直線があります。

 

スフィンクス
スフィンクスはギザの配置図の東にあります。建てられた正確な年代は考古学者にはわかりませんが、紀元前1500年頃に新しい石板の層が再建されたことがわかっています。この石板はスフィンクスの長軸方向に走る侵食跡を覆い隠しており、地質学者ロバート・ショックによると、スフィンクスは再建の5000~7000年前に建てられていたといいます。

スフィンクスの頭部はおそらくギザのピラミッドと同時に作られましたが、頭部が元々の石を再び彫り込んだのか新しいものに取り替えられたのかという疑問を取り巻く論争があります。

ギザの大スフィンクス。 (CC BY-SA 3.0)

しかしスフィンクスの最も興味深い部分は、毎年3月21日に日が昇る真東を正確に指し示すその頭部の向きです。さらに、スフィンクスの後ろに立って同じ東という方向を眺めると、星座の動きによって夜に時間を追うことができます。この地点からの星座は72年ごとに1度動き、2,160年ごとに新しい星座がその場所を取ります。12の星座があるとすると、各12の星座を合計した円は25,920年ごとに完成されます。

ロイヤル・キュビトで測定されたギザ配置図の寸法。 (© Andras Goczey. 測定はJ.A.R. Legonによる。 ‘The Plan of the Giza Pyramids’, Archaeological Reports of the Archaeology Society of Staten Island, Vol.10 No.1. New York, 1979.)

カフラー王のピラミッド
2000年、J.A.R. Legonは標準的な古代エジプトの測定単位であるロイヤル・キュビトを使って、ギザ・ピラミッドの配置図を測定しました。

上空から見たギザ・ピラミッドとギザ・ネクロポリス。 (Public Domain)

カフラー王のピラミッドの頂点とクフ王のピラミッドの低い地点との関連は、夏至6月21日に太陽が昇る場所を示すため重要です。タンジェント角はLegon氏の測定を使って簡単に計算されました。底辺の長さ455.5キュビトを対辺の長さ858.5キュビトで割ると正接は0.53となり、接線方向に27.9°になります。これは夏至の太陽と真東への直線との間の角度を与えます。同じ角度を同じ線から逆方向に測ると、12月21日の冬至に太陽が昇る場所が得られます。冬至を示す線は正確にケントカウエスのピラミッドの角に接し、同じ要領で夏至を示す線はクフ王のピラミッドの角に接します。

 

メンカウラー王のピラミッド

円筒印章で作られたシュメルの粘土板。 (Source)

シュメルの粘土板はギザの建造物が建てられる数百年前に作られ、月の周期を描いています。この詳細画像に右上には夜を表す大きな月が描かれており、その右にある7つの小さな月は月周期を象徴しています。7という数字は月の周期において極めて重要で、朔、上弦、望、下弦の間は7日です。メンカウラー王のピラミッドは同じ月周期を示すよう設計されています。

エジプト、メンカウラー王のピラミッド。 (CC BY-SA 2.5)

地球から眺めると、新月では月は完全に暗くなり、満月では全面が照らされます。上弦とその14日後の下弦では月の半分が照らされます。メンカウラー王の大ピラミッドと衛星ピラミッドG3aの間に座って南を向くと、月は東から西に動きます。月が衛星ピラミッドG3aの真上に来る時、それは正確に新月です。7日後、G3bの上に月が来ると上弦を示します。また7日後、G3cの上に来るのは満月です。さらに7日後、再びG3bの上に来ると月は下弦です。

メンカウラー王の3つの衛星ピラミッドで示される月周期。 (© Andras Goczey)

しかし、月の満ち欠けの正確な時間(平均朔望月)は29.53日のため、月周期の4点の差は正確な7日ではなく7.3825日です。この小さな差は月周期ごとにわずかなズレを引き起こしますが、19年で正確な位置に戻ります。19年間に地球を周回する時間は19×365.25=6,939.75日です。これを平均朔望月29.53日で割ると、結果は235.0067728となります。したがって正確な位置で4つの段階を示すには、月周期はメンカウラー王のピラミッドとその小さい衛星ピラミッドを235回通過しなければなりません。
(※原文から計算結果を修正しています。)

アクエンアテンとネフェルティティがアテン神が出す太陽光線の下にいる。14日と14本の光線が一致する興味深い描写。 (Source)

さらにメンカウラー王のピラミッドについて興味深いのは、月周期を示すことに加えて、女性の月経周期の指標にもなっていたということです。おそらく多くのエジプト人女性はこれを自身の28日周期を見るために使っていました。

 

クフ王のピラミッド
クフ王のピラミッドは周囲に2列の石板があり、1880年代にピートリーによって行なわれた測定によると他の全てとは異なります。これら2列は高さ約60cmの石板からなり、これは正確にピラミッドの1/5とその衛星ピラミッド3つの高さを示しています。毎日太陽が東から昇ると、衛星ピラミッドはクフ王のピラミッドの東側に影を落とします。これらの影は活動宮の日付を示します。すなわち6月21日の夏至、12月21日の冬至、そして9月22日と3月21日の春秋分点です。

クフ王のピラミッド、または大ピラミッド。 (Nina Aldin Thune/CC BY-SA 3.0)

3つの衛星ピラミッドのうち、最も北に位置するへテプへレスは最も重要なものです。6月21日、高さ60cmの石板が2列ある階にへテプへレスの頂点の影が正確に当たります。その影はピラミッドの端から最も遠い点に達する12月21日まで毎日55~70cm北に動きます。この動きは182日を刻むため、おそらくクフ王のピラミッドとその衛星ピラミッドは1年における日を示すために使われたかもしれません。他の2つの衛星ピラミッド、メリタテスとヘヌットセンは、同様の方法でこれらの日付を知らせ、より正確な時刻管理システムを可能にします。

クフ王のピラミッド測定図 (© Andras Goczey)

ハンガリー人建築家András Gőczeyは上記のテーマをカバーする本を英語で出版予定です。下の動画で他の内容を見ることができます。

トップ画:Top Image: Sphinx and Pyramids at The Giza Plateau (CC BY 2.0) , the moon, and clockworks (CC BY-SA 2.0)

原文:Ancient Origins
参考:http://www13.plala.or.jp/rameses2/kakeizu.htm
 参考サイトにある権力争いの話が非常に興味深いです。

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