• スポンサーリンク

4万年前のロープ作成法が解明される

ロープとより糸は移動型狩猟採集者の技術において重要な要素です。例外的なケースでは、糸の模様が焼成粘土から見つかっており、まれな場合には糸が氷河期芸術の文脈で描かれましたが、全体的に旧石器時代の糸、ロープ、布地についてはほとんど何も知られていません。

コナード(Conard)氏のチームによるドイツ南西部のホーラ・フェルス洞窟での重要な発見と、リエージュ大学のヴェール・ロッツ博士(Dr. Veerle Rots)と彼女のチームによる実験的な研究調査は、ロープの歴史を書き換えています。

ホーラ・フェルス洞窟の入口。 (CC BY-SA 3.0)

見つかったのは丁寧に彫られ美しく保存された、直径7~9mmの穴が4つ空いた長さ20.4cmのマンモスの牙の欠片です。穴のそれぞれは深く、正確に彫られた螺旋状の彫り込みが並んでいます。この新しい発見はこれらの精巧な彫刻が単なる装飾ではなく、むしろロープ作成道具の技術的特徴であることをはっきりと示しています。

マンモスの牙でできたロープ作成道具の拡大。ドイツ南西部のホーラ・フェルス洞窟で見つかった約4万年前のもの。 Copyright University of Tübingen

過去にあった同様の発見は通常、シャフトを真っ直ぐにする道具、装飾された芸術品、または楽器として解釈されてきました。発見物の例外的な保存とリエージュ大学のチームによる正確な検査のおかげで、研究者らはこの道具がホーラ・フェルス洞窟の近くにある植物繊維からロープを作るために使われたことを実証しました。『この道具は旧石器時代にどのようにロープが作られたのかという問題に答えてくれました』と、ヴェール・ロッツは言います、『この問題は数十年の間、科学者を困らせていました。』


ドイツの研究者らは4万年前にロープが作られた方法を再現した。

発掘者らはロープ作成道具を、この場所のオーリニャック文化の堆積物の底部に近い考古学的層位Vaから見つけました。このホーラ・フェルス洞窟から回収された有名な女性の小像やフルートと同じく、ロープ作成道具の年代は4万年前、現生人類がヨーロッパに到達した時代のものでした。この発見は繊維技術の重要性と、氷河期における生活の課題に対処しようとする移動型狩猟採集者にとってのロープや糸の重要性を強調しています。

コナード教授のチームは過去20年にわたってホーラ・フェルスで発掘調査してきており、これはホーラ・フェルスを世界中で最も有名な旧石器時代遺跡の一つにするための何度となく成果をあげてきた長期間にわたる献身です。ホーラ・フェルスと隣接したAchやLone渓谷の遺跡群はUNESCOの世界文化遺産にノミネートされています。Ach渓谷のシェルクリンゲン に近いホーラ・フェルスでの発掘調査は、HeidelbergCement AG、バーデン=ヴュルテンベルク州科学部、ハイデルベルク・アカデミー・オブ・サイエンスから出資されています。

トップ画:Rope making tool from mammoth ivory from Hohle Fels Cave in southwestern Germany, ca. 40,000 years old. Photos Source: Copyright University of Tübingen

元記事はScience Dailyにて発表されたものです。

翻訳原文:Ancient Origins

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

  • スポンサーリンク