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古代メソポタミアの現存する最大規模の論文

古代メソポタミアの粘土板には病気などの診断法が書かれていました。BC1600年頃のようで、かなり昔から体系がまとまっていたようですね。原文は研究文献のまとめみたいです。


The Largest Surviving Medical Treatise from Ancient Mesopotamia(Circa 1,600 BCE)
http://www.historyofinformation.com/expanded.php?id=2525

粘土板、特に焼成したものは、パピルス紙よりも耐久性があるため、薬物療法に関する原典資料は古代ギリシャや古代ローマのものよりもメソポタミアのものの方が残っている。現存する薬物療法の文献的情報の総量・価値(amounts)に関しても、メソポタミアからの方がエジプトのものよりも大きいかもしれない。二つの古代薬物療法情報源の比較は複雑であるためであり、さらにエジプトの快適な気候に残された医療パピルス、文献的ではないがエジプトのミイラは独特な古病理学の情報源である。

現存する約1000の楔形文字粘土板からなるメソポタミアの医療記録のうち、アッシュールバニパル図書館からの660の医療粘土板は大英博物館で保管されている。新アッシリア(Neo-Assyrian)のアッシュールの医療従事者(asipu)の私邸の発掘調査から見つかった図書館のものを含む、他の遺跡から見つかった約420の粘土板も現存している。いくつかは中期アッシリアや中期バビロニアの資料である。

これらメソポタミアの薬物療法粘土板のほとんどは19世紀までに発見されたのではなく、楔形文字翻訳の難しさから、これら粘土板の多くは最近まで学者に理解されなかった。考慮すべき別の要因は、これらの粘土板が写本としてではなくむしろ意図しない埋設によって現存することであり、従来の図書館や博物館で比較的最近まで保存されておらず、記録された薬物療法は西洋医療伝統(Western medical tradition)において必ずしも従来の役目を担っていなかった。後の医師の診察に影響を与えた内容は不明なままである。

アッシュールバニパル図書館からの医療テキストはReginald Campbell ThompsonによってAssyrian Medical Texts. From the Originals in the British Museum (1923年)(※pdfファイル)として複写で最初に出版された。後にFranz Kocherは六巻からなるDie babylonisch-assyrische Medizin in Texten und Untersuchungen (1963-1980)を出版した。その最初の四巻はアッシュールバニパル図書館以外の遺跡から見つかった粘土板を含んでいた。

『Kocherの残り二巻はCampbell Thompsonを増補し、破損した断片や大英博物館から見つかった多くの資料の新たな結合をもたらしている。少なくともニネヴェ・テキストのあと一巻が発表されている。さらに、Spaet Babylonische Texte aus UrukシリーズはKocherの作品に含まれていない30ほどの医療テキストを含んでいる。これらテキストの大部分は処方箋だが、別のものと直接関連する項目を含んだ数少ない一連の粘土板があり、これらは「論文」と題されている。』 (Nancy Demand, The Asclepion, accessed 05-30-2009).

より最近、メソポタミアの医療粘土板の多くのテキストがアッシリア学者/楔形文字研究者のJoAnn Scurlockと医師/医療史家のBurton R. Andersonによって、医療という視点からDiagnoses in Assyrian and Babylonian Medicine (2005) として翻訳・分析された。


•古代メソポタミアから見つかった現存する最大規模の医療論文はTreatise of Medical Diagnosis and Prognoses(医療的診断と予後診断に関する論文)として知られている。

『40の粘土板からなるこの論文のテキストはフランスの学者R. Labatによって集められ研究された。この論文で最も古いものはBCE1600年頃とされるにもかかわらず、テキストに含まれる情報は数世紀ものメソポタミア医療知識の融合である。診断論文は、痙攣性疾患や婦人科、小児科をカバーするサブセクションに分けられ、頭から爪先の順に整理された。非専門家に現在利用可能な旧式の翻訳が、古代メソポタミアの医療テキストを魔法使いの手引書の引用のようにしているのは残念だ。実際のところ、最近の研究が示しているように、診断論文に含まれる疾病の記述は熱心な観察能力を示し、それは通常鋭敏である。実質的に全ての予期された疾病は診断論文の一部分に記述されており、それらの完全に保存されている部分は、神経学、発熱、寄生虫や吸虫、VD(※性感染症か)、皮膚損傷である。さらに医療テキストは基本的に合理的であり、例えば出血多量に対して考案されたいくつかの治療(記述された植物は全て容易に識別できる)は基本的に同様の状況における現代の治療と同じです。』 (Nancy Demand, The Aesclepion, accessed 05-30-2009).


※参考情報

原文のサイトからもリンクされていますが、まとめられたスライドがありましたので見てみると興味深いかもしれません。ハンムラビ法典にも手術についての記述があるとか。粘土板に記載されている多くの薬は隠喩的な名前で書かれているために識別が難しいとのこと。などなど書いてあります。

https://www.slideshare.net/AkramJaffar/mesopotamian-medicine

サムネイル:Wikimediaより。医療関係ではないです。

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