世界中には伝説で語られるような失われた都市の物語が残されています。その中で、近年発見されたウバールと呼ばれる街の遺跡は、イスラム教のクルアーン(コーラン)で語られた反逆の街ではないかと注目されています。
ウバールはアラビアにあるオマーンで見つかった遺跡。伝説上の都市が実在したというのはワクワクモノ((o(´∀`)o))
ウバールについて異論はあるみたいですが、現代の調査が古代の真実を明らかにする時が来るかもしれません。
サムネイルはRogerMV氏のUbar – Iram of the pillars。
Iram of the Pillars, the Lost ‘Atlantis of the Sands’
過去の文明に関する文献では、現在では失われてしまった人類の都市の中で最も有名なアトランティスについて多くの場合言及します。より小さい規模で考えると、アラビアには失われた文明について独自の伝説があります。それが「砂漠のアトランティス」と呼ばれるものです。これはコーランで語られる失われた都、部族、地域のことで、円柱のイラムという名で知られています。
クルアーンにおいて、イラムはそびえ立つ建物に囲まれ、アード(Ad)という人々が住んでいたと言われています。彼らはアラーに背いていたので、アラーを崇拝し従うよう命じるために預言者フード(Hud)が送られました。イラムの人々は敵意を示し、フードの言葉に耳を傾けませんでした。その結果アードは罰を受け、街に七日七晩砂嵐が襲ったと伝説には語られています。 結末では、イラムは存在していなかったかのように砂漠の中に消えてしまったとされています。その一方で、イラムの物語は道徳の話としてもよく、人々はアラーに従わなければならない、そして横柄な態度で振る舞ってはならないと説教するために使われます。また別の見方では、これはいくつか真実かもしれないし、実際にそのような街がかつて存在していたと多くの人が考えています。
90年代初期、アマチュア考古学者で映画製作者のニコラス・クラップ率いるチームが、古代都市ウバールを発見したと発表しました。この都市は円柱のイラムだと考えられています。これはNASAのリモートセンシング衛星、地中レーダー、ランドサットデータ、さらにスペースシャトル・チャレンジャーが撮影した画像と地球観測衛星データを使用して成し遂げたものです。これら資源でチームは古いラクダ交易ルートや集合地点を確認する事ができました。集合地点の一つはオマーンのドファール省、ウォーターホールでよく知られるシスルの町です。この遺跡で発掘が行われた際に、高い壁と高い塔とともに大きな八角形の砦が発見されました。残念なことに、砦の大部分は穴に沈んで壊れてしまいました。
さて、この都市ウバールはクルアーンで述べられていた円柱のイラムなのでしょうか?おそらくそうです。ただし別の解釈では、ウバールは神秘的な都ではなく、むしろクラウディウス・プトレミーによって2世紀に翻訳されたアラビアの地図に示されていた「Omanum Emporium」だったと示唆されています。つまり、ラクダが通った古い跡は、おそらくは香料だと思われる何かしらの交易がウバールで行われていたことを示しています。古代においてアラビアは香料の生産でよく知られていて、当時香料は宗教儀式に使われる貴重で重要な天然資源でした。そのため、街や都市がラクダの隊商によって大きくなっても不思議ではありません。
円柱のイラムが実際に存在したか、そしてウバールとイラムが同一のものかどうかは確かではありませんが、円柱のイラムの物語はウバールの街に影響を受けている可能性があります。ウバールの遺跡を通る商人や旅人は、この街に何が起きたのか困惑しているかもしれない。時が経って、アラーに反抗した邪悪な行いの罰を受けた人々についての物語が語られるようになった結果、この物語はアラビアの人々にとって馴染み深い話になったのでしょう。それでも、ウバールはコーランの伝説的な街ではない可能性もあるため、本当の円柱のイラムはアラビアの砂漠の下に隠され、発見されるのを待っているのかもしれません。